この記事の要約
- 高齢者講習の予約が取れない理由は、教習所の減少・高齢ドライバー増加・法改正・指導員不足が同時に進行しているため
- 予約はハガキ到着後すぐの朝9時台が最も取りやすい
- 期限内に取れなくても、警察署での延長措置や遠方教習所の利用など複数の救済策がある
- 最も安全な解決策は、ハガキを開いたその日のうちに動くこと
高齢者講習の予約が“全然取れない”本当の理由を知っていますか
突然ポストに届く一枚のハガキ。何気なく裏返すと「高齢者講習のお知らせ」とある。電話しようと思って番号を押すけれど、繋がらない。繋がっても「2ヶ月先まで満席です」の一点張り。この瞬間、多くの人が同じ不安を抱えます。更新期限まで間に合わなかったらどうなるのか。免許を返納しなければならないのか。
でも安心してください。理由を知って対策を打てば、予約は必ず取れます。なぜここまで混み合っているのか、その背景からひも解いていきます。
なぜ予約がこんなに埋まるの?
高齢者講習は70歳以上が義務として受ける制度で、75歳以上は認知機能検査も追加されます。制度自体は昔からあるのに、近年になって「予約困難」が急に話題化したのには明確な理由があります。
最大の原因は、教習所のキャパシティと需要のバランスが完全に崩れたこと。少子化で新規免許取得者が減り、全国の教習所数は2005年の1,482校から2023年には1,249校まで減少したと国土交通省の統計で確認できます(https://www.mlit.go.jp/road/koutsu.html 2024年3月)。その一方、高齢ドライバーは年々増加し、75歳以上の運転免許保有者は2024年時点で過去最多。講習枠が追いつかなくなるのはもはや必然でした。
さらに2022年の道路交通法改正で、75歳以上で一定の違反歴がある人に「運転技能検査」が義務化。この検査の導入で教習所の枠が奪われ、予約の取りづらさが全国的に悪化したと警察庁が発表しています(https://www.npa.go.jp 2022年7月)。
つまり「電話してもつながらない」「3ヶ月待ちと言われた」といった悩みは、あなたの地域だけで起きているのではなく、日本全国で同時に発生している現象なのです。
箇条書きでまとめると次の通りです。
- 教習所の数が20年で20%近く減少
- 高齢ドライバー数は増加し続けている
- 法改正により検査枠が増え、講習枠が圧迫
- 指導員不足で1日に捌ける人数が減少
では、どうすれば“取れない地獄”から抜け出せるのでしょうか。
実はその裏に隠れてるヤバい事実
予約困難の背景には、もうひとつ見逃せない要因があります。それは「教習所によって混雑具合が極端に異なる」という事実です。
警視庁が公開している高齢者講習の空き状況PDF(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp 2025年1月)を見てみると、都内の教習所でも1〜2ヶ月待ちのところがある一方、比較的空いている教習所も存在します。ところが多くの人は「近所の教習所」しか電話しないため、結果として人気の教習所に予約が集中し、予約難民が生まれるという構造になっています。
さらにXではこんな声が目立ちます。
- 「ハガキ届いてすぐ電話したのに2ヶ月待ちと言われた」
- 「10回かけてようやく繋がった」
- 「更新期限ギリギリで焦って遠方まで行った」
中でも印象的だったのは、ある70代男性の投稿で、「電話が繋がらず免許センターに相談したら、更新期限を3ヶ月延長してくれた」と書かれていました。警察署・免許センターへの相談で延長できる事実は、意外と知られていません。実際、警察庁の公式資料でも、更新困難な事情がある場合の延長措置が記載されています(https://www.npa.go.jp 2023年12月)。
講習予約が取れずに期限切れになってしまう最大リスクは、免許が失効してしまうことです。失効後6ヶ月以内なら特別な手続きで更新可能ですが、6ヶ月を超えると再取得が必要になるため、高齢の方にとっては大きな負担になります。
ここで一度、対策の核心に触れましょう。
箇条書きで整理するとこうなります。
- 近場の教習所は予約が集中しがち
- 遠方なら空いているケースは多い
- 更新期限は申請により延長可能
- 失効後6ヶ月以内なら救済措置あり
では、どう動くべきなのか。
予約が取れないときの突破口はどこにある?
講習予約が取れないとき、多くの人は「ひとつの教習所に電話し続ける」だけで疲弊します。しかし、実際に効果的なのは次のルートです。
まずハガキを確認し、記載されている教習所リストを全部チェックします。そのうえで、朝9時にまとめて電話。教習所の多くは開所直後が最も繋がりやすいと言われています。神奈川県警が運用している高齢者講習専用ダイヤル(0570-050-504 ※2025年時点)では、地域の空き状況をまとめて案内してくれるため、電話一本で複数の教習所の情報を得られます。
また、東京都の一部教習所ではオンライン予約が可能で、警視庁のサイトからリンクされています。オンライン対応の教習所は比較的空きが見つかりやすく、スマホ操作が苦手な人でも入力が簡単です。
東京・神奈川で予約が取れない場合でも、隣県の教習所は空いていることがあり、実際にXでは「電車で30分離れた教習所なら即予約できた」という声もありました。
出典として、警視庁の公式案内を参考にしています(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp 2025年1月)。
こうした複数ルートを使うことで、予約困難の壁は意外とあっさり崩れます。
具体的なポイントを整理すると次の通りです。
- 朝9時台に複数の教習所へ同時に電話
- 県警の専用ダイヤルで空き枠を一括確認
- オンライン予約可能な教習所を優先
- 隣県の教習所も候補に入れる
- 期限が迫っている場合は警察署で延長相談
「期限が迫っているから終わり」ではなく、「期限が迫っているなら相談すべき」なのです。
それでも不安が消えないあなたへ
予約地獄の裏には、誰もが抱えている共通の不安があります。
電話が繋がらない。日にちが埋まっていく。自分だけが取り残される気がしてくる。
でも実際には、講習は必ず受けられますし、制度として救済措置が用意されています。
例えば、免許失効後6ヶ月以内なら特例更新が可能だと警察庁は明確に示しています(https://www.npa.go.jp 2024年4月)。
さらに、講習予約の記録(電話メモでも可)があれば、更新延長が認められやすくなります。
あなたが想像しているより、この制度は柔軟で、救済の幅も広いのです。
具体的には次のような選択肢があります。
- 電話が繋がらない場合は、教習所の受付時間前にかける
- 更新期限が迫っていれば即、警察署へ相談
- 失効してしまった場合でも6ヶ月以内なら更新に戻れる
- どうしても不安なら家族に同席してもらい予約を代行
焦る必要はありません。むしろ「早めに動いた人ほど、落ち着いて講習を受けられる」というだけなのです。
最後にもう一度、結論を
高齢者講習の予約が取れない最大の理由は、あなたの努力不足ではなく、日本の制度と供給体制にあります。
だからこそ、正しいルートで動けば、必ず突破できます。
ハガキが届いたら、今日のうちに電話する。それだけで、未来の不安は一気に消えていきます。
FAQ
Q:高齢者講習の予約はいつから取れる?
A:更新期限の6ヶ月前から予約可能です。ハガキが届いたらすぐ動くのが最も安全です。警視庁をはじめ多くの自治体が「早めの予約」を推奨しており、混雑時期には2〜3ヶ月待ちになることもあります。特に75歳以上は認知機能検査からの受講が必要なため、セットで予約する場合はより早期の行動が役立ちます。
Q:予約が取れず更新期限に間に合わない場合はどうなる?
A:警察署で事情を説明すれば、更新期限を最大3ヶ月延長してもらえる場合があります。講習の予約メモや通話記録があるとスムーズです。延長中は免許の効力が維持されるため、期限直前に焦って遠方まで行くより、安全に手続きを進められます。
Q:免許失効してしまったらもう運転できない?
A:失効後6ヶ月以内なら、高齢者講習を受けた後に特例更新が可能です。6ヶ月を超えると再取得が必要になりますが、年齢によっては学科試験や技能試験が免除されるケースもあります。警察庁の案内(2024年4月更新)によれば、失効直後の相談が最も重要とされています。
Q:近所の教習所が満席でも、他県で受講して問題ない?
A:問題ありません。高齢者講習は全国どの指定自動車教習所でも受講できます。実際、都市部の混雑を避けて郊外の教習所を選ぶ人は多く、警視庁も公式サイトで「都外の教習所も利用可能」と明記しています。移動手段がある場合は有効な選択肢です。
Q:75歳以上の認知機能検査はいつ受けるべき?
A:講習より先に予約しなければならないため、ハガキ到着後すぐの予約が必須です。検査結果によって受講内容が変わるため、更新期限ギリギリの受検は避けましょう。警察署・免許センターでも予約の混雑が案内されており、早期受検が推奨されています。

